不定期発行
9月25日号

原作 ルイ・ロペス
作画&管理 店主


フォレスト ウィスキー2
価格 890円
製造  デンマーク
タイプ ヨーロッパ
内容量 50g
形状  パウチ
JTタバコ最後のラインアップである。
これ以降、JTからパイプタバコの新商品は作られていない。
それだけに、パイプタバコとして一番こなれた作りに感じられる。
もともと、イギリスタバコと、アメリカタバコを手本とし、ミクスチャーから始まったJTのパイプタバコであるが、ビッグフォーン、シルクロードの流れの中で、レディーラブド(タバコをブレンドした後、圧搾熟成させる技術)が醸成されてきた感がある。
ビックホーン「以前のミクスチャー」 & 「以降のレディーラブド」と言ったブレンドの流れ持つJTタバコ。
フォレストは、そんなJTタバコのラストを飾る。
さらに「日本で開催された、世界パイプコンテスト」用のタバコとして、あつらえられた栄誉を持つタバコである。
そんな背景を持ち、「本格的なヨーロッパタイプとして企画されたフォレスト」。
これに対し、デンマーク老舗タバコメーカー筆頭のマックバレン。
この二者の相性が、今回のテイスティングの見所となって来る。
そんなところで前置きはこの位にし、本題に入る事としよう。

最初に香の対比であるが、香料のウィスキーが強めに出てくるのはマックバレンのように感じる。
ではJTの方が良くないのかと言うとそうでもない。
JTのピュアなベースタバコと軽いキャラメル香(カピート)を土台として、ウィスキー香がバランス良く乗っかっている為、チョコレートを感じさせる甘い香で、中々上品なタバコに仕上っている。
まあ上品過ぎ、やや特徴に欠けると言えなくもないが、ヨーロッパタイプの基本を押えた無難な出来栄えである。
そんな訳でトップノートに関して言えば、JT物に軍配が上がりそうである。

ところで味の方はどうかと言うと、これも香と同等ではないかと感じる。
味わいとしては、JT物もマックバレン物も、サッパリ系でベースタバコが前面に出てくると感じられる。
しかし敢えてテイスティングを進めて行くと、JT物の方が、ベースタバコ・ブラックキャベンディシュ・ウィスキー香の三つが、バランス良くブレンドされていると感じられる。
そこは本格的ヨーロッパタイプとして計画され、ブレンドされたタバコである、アドバンテージがあると言う事だろう。
言い方を変えて表現すると、JT物のフォレストは、「JT特有のベースタバコの味わいを計算してブレンド計画が立てられた」と言ったところか。

ただ、その代わりと言っては何だが、マックバレン物の方がウィスキーの香はストレートに出てくる。
たぶん、味わいの相関関係がそうさせるのだろう。
マックバレン物の味わいとしては、ベースタバコを中心にして、ウィスキーの香が乗っかっている感じで、思った程ブラックキャベンディッシュも表面にでては来ない。
良く言えば落ち着いた味わい、悪く言えば地味な味わいとなっている。
マックバレンのベースタバコが嫌いでなく、ダッチタイプやスコティッシュタイプの、地味な味わいが好みのスモーカーか、洋酒タイプの香を味わいたい時であれば、ファレスト2も悪くない選択だと思う。

シルクロード2
920円
製造  デンマーク
タイプ ヨーロッパ
内容量 50g
形状  パウチ
これもフォレストに習って、香りから攻めてみよう。
まず第一印象からだが、バニラ香が強めに出てくるのはマックバレンである。
それに対しJT物は、なかなか感心な事に「オリエンタルな香」が良く出ている。
膨らみがあり土系の落ち着いた香、たぶんバスマ辺りだと思うが、本格的なブレンドと言える。
その代わりと言っては何だが、JT物のシルクロードは「好き嫌が別れる味わい」ではある。
ここは注意が必要なところだろう。

それに比べマックバレン物は、オリエンタルな感じがそれ程前面に出て来ない。
どちらかと言うと、オリエントがバニラ着香の補間に回り、膨らみのある甘味を演出している程度に感じる。
あえて言葉で表現すれば「カントリー風のキャラメル」に近いかもしれない。
この辺りで香りに対する言及は止めるとして、マックバレン物の味わいに絞って紹介して行こう。

まず最初に感じるのは、バニラ香がやや引込み気味に感じられる事だ。
それがオリエントの膨らみのある香と相まって、中々バランス良く仕上っている。
マックバレンのJT物は総じて、バッサリとして特徴の少ないタバコをベースにしているが、このバッサリ感が、物足りなくも水っぽくも感じられる部分である。
しかしシルクロードに関しては、オリエント葉がそこの部分を上手くカバーしている。
そこに微着香に近いバニラの香である、中々落ち着いて面白みのあるタバコだと感じる。
まあそれでも、独特のベースタバコの味わいは、結構残るのだが。

しかしビックホーンと言い、このシルクロードと言い、ブレンドを主体(注1)としたヨーロッパタイプは、JTが目指したヨーロッパタイプの先輩格として、マックバレンに一日の長ありと言ったところか。
(注1) ビックホーン ・・・ ラタキアをブレンド
     シルクロード ・・・ オリエントをブレンド

次週予告 キャプテンベスター

テイスティングノートでは、皆様のテイティング感想も掲載させて頂く予定です。
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