不定期発行
11月19日号

原作 ルイ・ロペス
作画&管理 店主


2006年も半ばを過ぎ、7月をもってタバコが増税となった。
そこで、前々から「安価タバコ」として取り上げてみたかった、キャプテンベスターのティスティングとなった。
満を侍してと言う訳でもないが、度重なるタバコの値上げで、いよいよスモーカーの肩身が狭くなって来た昨今。
せめてもの抵抗として、最もリーズナブルなタバコをチョイスした次第である。
勿論、値上げ前(750円)に調達した事は言うまでもない。

さて肝腎のタバコであるが、パウチからだけでは何処のメーカーか判別しづらい。
表記がドイツ語らしい事はわかるが、製造に関してはメードインEU止まり。
そこでタバコ屋に確認した訳だが、製造メーカーは「フォン・アイケン」との事。
あの特徴のあるブラックキャベンディシュは、ストレートバニラで経験済である。
これならば話は早い。
早速パウチを開いて葉組みの確認する。

キャプテンベスターの総評としては、ベーシックな作りのミクスチャー。
配合率はそれぞれで違いはあるが、ヴァージニア、バーレー、ブラックキャベンディッシュと、スタンダードな作りだ。
また、フォンアイケンの特徴である「太めのリボンカット」と、「派手さの無いブラックキャベンディッシュ」で、それなりに落ち着いた雰囲気を出している。
ただ、ストレートバニラと明らかに違う所がある。
それは、バーレー葉の存在が目立つ事だ。
吸った感じでもそうだったが、全体的にバーレーのザックリ感が出て来る。
そして、3種の葉組みを比較してみた結果、このような結論となった。

「キャプテンベスターは、バーレー(4〜5割程度の配合率だろう)をベースに、香との相性を考慮し、ヴァージニアとブラックキャベンディッシュの、配合率を変化させたブレンドである」
まあそんな訳で、煙の刺激が強く、肺喫煙に向いていると言える。
以上「価格・味わい・ブレンド」、これらの事を加味し考察すると、このキャプテンベスター、「気軽に楽しめ、シガレットの代用にもなる、ドラッグストアータバコ」の位置づけであろうか。
でも私的には、肺喫煙様の着香タバコとして、結構好みのタバコである。
価格も最安値のレベルであり、中々の掘り出し物かもしれない。

キャプテンベスター
バニラ

原産国 EU
タイプ アメリカタイプに近いと思われる
内容量 50g
価格  800円
形状  パウチ
3種の中では最もブラックキャベンディッシュの配合率が高く、暗い色調の葉組みである。
パウチの説明書きにも、ブラックキャベンディッシュにバニラの着香としか表記されていない。
では「真っ黒なタバコ」かと言うとそうでもない。
ブラックキャベンディッシュの配合率はせいぜい20%前後だろう。
もっともその分ヴァージニアの割合は少なくなっている。
従って、ストレートバニラで感じた、スパイス感(シナモン的?)のある甘味と、ナッティーな旨味が感じられる。
しかし、バーレーの刺激が結構出てくるので、複雑な味わいを楽しむと言った雰囲気では無い。
あくまでも「気軽に楽しむタバコ」である。
しかし、素直なバニラに、程好い複雑さ。
なかなかバランスが取れたタバコである。
しかも、ブラックキャベンディッシュの特徴である、「肺に煙をいれても持続する甘さと香」を充分感じさせてくれる。
従って「肺喫煙を視野にいれた、スタンダード & ディリーなタバコ」として、重宝しそうである。

キャプテンベスター
ハニー&ラム

原産国 EU
タイプ アメリカタイプに近いと思われる
内容量 50g
価格  800円
形状  パウチ
説明書きにはサンキュアード・ヴァージニアの表記。
葉組みを確認するが、タバコの色調が他の2品に比べ随分と明るい。
その理由はすぐに分かった。
ブラックキャベンディッシュの配合が極端に少ない。
全く入っていないか、5%以下のブレンドであろうか、探さないと見つからない程だ。
その分、ヴァージニアの配合率が高くなっている様に思う。
この葉組みから考えられるのは、ヴァージニアと「ハニー&ラムの香」を中心に、ブレンドされたタバコであろう。
しかしベースはあくまでもバーレーである様で、「ラールセン フレークカット」の肺喫煙バージョンの趣がある。
ただし「ナッティーとも感じられる甘味」は、キャプテンベスター3品の中で最も強く鮮明だ。
それはまるで、往年の着香タバコ「カレドニア」を連想させると言って良い。
これがまたヴァージニアとの相性が良いようで、ゴールデンヴァージニア的な旨味も楽しめる作りとなっている。
もっとも「着香フリーク」&「肺喫煙者」向きのタバコである事には違いはないが、キャプテンベスター3種の中では、一番ヴァージニアタバコの味わいが楽しめるブレンドとなっている。

キャプテンベスター
チェリー

原産国 EU
タイプ アメリカタイプに近いと思われる
内容量 50g
価格  800円
形状  パウチ
パイプの香料として欠かせないのが、バニラ、そしてこのチェリーだろう。
「取り敢えずチェリーでも入れておけや!」そんな職人の声が聞こえて来そうである。
まぁ、ドラッグストアータバコの位置づけであれば、そんなもんだろうと思う。

上記の妄想的事情が有るか無いかは別にしても、パウチの説明書きには「チェリーフレーバーの記述」しか見当たらない。
「加えられたフルーティーなチェリーフレーバーが、ユニークな味わいを演出している」この一文だけである。
さすがは安さが売りのキャプテンベスター、表記まで手抜きである。

さて、冗談はこれぐらいにしておくとして、肝腎なティスティングに入ろう。
まずタバコの外見は、バニラとハニー&ラムの中間辺りだろう。
そして、その原因はブラックキャベンディシュの配合率にある。
少々くどい説明になるが、フォンアイケンのブラックキャベンディッシュは、ゴテゴテした甘さではなく、スパイシー&ナッティーな部類に入ると感じている。
多分この味わいは、「柑橘系やチェリー系のトップフレーバーとの相性が今一良くない」、こんな感想を持っている
従ってキャプテンベスターのチェリーは、ブラックキャベンディッシュの配合がそれほど多くは無い。
トップフレーバーの邪魔にならない、ギリギリのラインで留めているレベルだろう。
しかし、これが中々良い味を出している。

それ程強くないチェリーフレーバー、そのフレーバーに隠れる程度のブラックキャベンディッシュ、そしてベースのバーレー。
この3つの要素が上手くまとまって、派手さはないが、落ち着きとそれなりの厚みを持ったチェリーフレーバーを演出している。
価格と言い、味わいと言い、万人受けしそうなタバコである。

テイスティングノートでは、皆様のテイティング感想も掲載させて頂く予定です。
一銘柄ごとUP後に、当方までMailにてお寄せ下さい。
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