宣伝1.パイプ煙草のラプソディ


極めて簡単でしたが、煙草を楽しむも一段落したところで、今考えている新企画の宣伝を試みたい。
これまで、リビングショップ安藤さんのホームページで、「パイプ物語」「ティスティングノート」と掲載させて頂いて来た訳だが、昨今のパイプ煙草事情を鑑みると、そうも言っておられない状況になっている。


度重なる製造会社の変更や廃業などで、購入できなくなったタバコは数知れず。
さらに、購入できるタバコであっても、すでに製造国と会社が変わってしまっていて、一昔前にティスティングしたタバコと、現在購入できるタバコは別物と言って良い状況である。
こんなご時世でもあり、パイプタバコをキッチリとティスティングする事は、少々無理ではないかと思っている。
とは言え、気軽に文化を楽しめる時代の到来と、令和のパイプ喫煙ブームを期待している身なので、最新のパイプタバコが分かる読み物は必要だと考えている。
どうしたものかと考えあぐねた結果、ティスティングは無理だとしても、エッセイに近いスタイルならタバコの紹介が出来るのではないか、との結論に至った。
例えば、パイプ煙草でヴァーチャルな旅をしながら、タバコの知識や味わいに触れて行く事なら、可能ではないかと考えている。

ただし、紹介するタバコのラインアップは、これからパイプを初めてみようかと言った、未経験者の事も視野に入れているので、日本全国何処でも手に入るものが主力となる予定だ。
しかしこれでは、上質なタバコや珍しいタバコ、マニアが追い求めるようなタバコは紹介出来ない。
「ありきたりなタバコばかりで面白くない。」と言う声も聞こえてきそうではあるが、そこは考えようだ。
昔から販売していて、誰もが見たことがあるタバコばかりになるが故の、楽しみもあると思う。
例えば、タバコ製造の変遷や、それに伴った味わいの移り変わりなど、歴史的な部分にも踏み込んで行く事が出来る、それはそれで楽しいものだ。
もっとも、現時点ではどんな読み物になるのか、その形すら決まっていないのが実状ではあるが、異なったタバコを楽しむ事によって、それぞれの夢を見れるような、そんな読み物になればと思っている。
「パイプ煙草の狂詩曲(ラプソディ)」、なかなか筆が進まないのが現状ですが、予告として一部を紹介しながら、タバコの楽しみを一端幕と致しましょう。


(お断り)
『宣伝1.パイプ煙草のラプソディ』と、『宣伝2.コーンパイプ探検記』は、電子書籍出版用に書き溜めている原稿の一部となります。
もっとも、出版はあくまでも予定ですが、パイプ物語2ではネタとしての使用までとなりますので、あらかじめご了承下さい。

『パイプ煙草の狂詩曲(ラプソディ)』
孤高のパイプ・スモーカー、ルイ・ロペスのタバコ旅行。

旅をしよう・・・・・・
山を越え谷を越え、ある時は赤道をまたぎ、またある時は時空さえもやり過ごして。

ナニ、金も時間もさほど掛かるものでもない。
長い歴史の中で、遊びと言う名前の文化を支えてきたパイプ喫煙。
パイプと言う乗り物に、歴史と文化の詰まった煙草を詰めれば・・・・・・
サァ、旅立ちの準備は整った。

心の旅は限りなく自由だ、煙の翼はどこへでも、私を連れて行ってくれる。
一日を終えたほんの一刻(ひととき)、パイプのけむりを友として、世界中を巡って歩こう。


『プロムナード』
パイプ煙草の小径(こみち)

暑さ寒さも彼岸までか。
冬も終わってベランピングには良い季節になった。
ああ、今日の仕事も終わった。
さて、どのタバコにしようか・・・・・・

ああ、そう言えば
この度、パイプ煙草の長い旅路に出る事にしたんだったな。
日常の憂(う)さを忘れ、パイプの煙を友として
一刻(ひととき)の幻想旅行の始まりだ、楽しみ楽しみ。
さて、最初に持ってきたいのは、
そうだな、都会や地方を問わず誰もが購入し易いパイプ煙草と言う事で、そこはやはり日本の煙草になるよな。
折角の旅立ちだし、玄人好みのヴァージニアだラタキアだと肩肘張らずに、気軽に楽しめる物を選ぼう。
さてどれにしようか・・・・・・

それでは、『パイプ煙草の狂詩曲(ラプソディ)』記念すべき第一号の煙草は、そうこれこれプロムナード。
えっ、何故かって。
ははっ、深い理由などは無い、ただ名前が旅立ちに向いていたからだ。
『プロムナード』フランス語で散歩道の意味を持つ。
なお、野外の庭園などで行われる演奏会、これもプロムナードと呼ばれているらしい。

音楽と言えば確か、ムソルグスキーの名曲「展覧会の絵」、ここで章節の合間に度々出てくる有名な小曲、これもプロムナードと呼ばれていたような、そうでないような。

しかし私はこのプロムナード、「こみち」と呼びたい。
小道でも小路でもない、そう「小径(こみち)」だ。

花様の香りと共に煙がまとわり付き、心を日常から非日常へとつれて行ってくれる。
まるでパイプ煙草の旅に、「私を誘う花の小径」、それがプロムナードだ。

さて、今日はどんなパイプで旅に出ようか。
ここは折角の旅立ち初日だ、初っぱなから日常を忘れられるよう、香を前面に出すのが吉だろう。
プロムナードがアメリカンタイプに分類されるとは言え、「西部劇感」満載のバーレー&ヴァージニアの味わいは、ハーフ&ハーフやロックンチェアにでもまかせておいて、バラの咲き誇る小径にいきなりトリップしたいものだ。
それでは、小振りのポーカーにタバコを詰めてと、これも使い込んでチャンバーが細目になっている、それだけに香り立ちは良い。
さて、小旅行と洒落込もう。

 

花様の香りと言い、やや苦みがあり多孔質な感じのザラ付いた煙と言い、戦後一世を風靡したアメリカンタイプの雄「ボンドストリート」を思い出す。
ボンド・ストリート、日本で購入できたキューブカットタバコの代表的な銘柄だ。
もちろんバーレーを主体としたアメリカタバコで、当時は世界的に人気があった。
しかし、香水とも花様とも取れる香り、日本人には少々キツすぎた記憶がある。
それに比べこのプロムナード、そこまで香りはキツくなく、やや柑橘系で親しみやすい香りである。
ボンド・ストリートが欧米の幾何学模様な庭園だとすると、プロムナードは至って日本的な雰囲気のある花園である。

「フゥー ・・・・・・ やっぱりパイプ煙草は旨い」
しかし改めてふかしてみると、昔と少々味わいが異なる。
まだ若かった頃、日本たばこ産業が製造していた時代、プロムナードの第一印象は柑橘系の甘いキャンディー、そんな記憶があるが、製造をデンマークに移した今は、バーレー&ヴァージニアのベース煙草に、花を思わせる香りを乗せた、そんな煙草に思える。

(以下略 鋭意執筆中)


『桃山』
南蛮の香りと和ティスト

そう言えば昨日は、パイプ煙草旅行の初日だったな。
旅から帰ったばかりだと言うのに、もうソワソワし始めている。
仕事もそろそろ終わりだ、今日は何処へ出かけようか。
旅立ち二日目にして、いきなり時間旅行も悪くない。
選ぶ煙草は、もちろんあれで決まりと。

安価であり、何処でも購入でき、さらに親しみやすい味わい、どこぞの牛丼屋のCMの様に、三拍子そろったパイプタバコ『桃山』である。

さてパイプはどれにしようか・・・・・・。
イギリスタイプと言われているタバコなんだが、桃山に関してはタバコそのものの味わいが出過ぎないパイプも好みなんだよな。
チャンバー径がやや細く、深さがそれなりにあるもの。
ダブリンにしようか、チャーチワーデンだと、さすがにイギリスタイプのタバコを吸うにはチャンバーが細長すぎるし・・・・・・
そうだな今回は無難に、カーボンがシッカリと育ったビリヤードだな。

今日のタバコ『桃山』、暗色火干葉を含むミクスチャーで、タバコの湿度は高めだ。
ラム酒の香りにコクのある甘い味わいだが、ヨーロッパタバコに良くあるブラックキャベンディッシュとはやや趣が異なる。
準備を整えパイプに火を入れる。
最初にフワッと漂うラム酒の香りが、いきなり異国へと導いてくれる。
しかし、桃山が西洋の味わいかと言うとそうでもない。
ヴァージニア、オリエント、ペリックと暗色火干葉と言った、あまりお目に掛かれないようなブレンドが、「黒蜜ときな粉」と言った和ティストな甘さを出してくる。
どこぞのお土産のような味わいだが、日本たばこの本気度がかいま見えるタバコだ。

桃山は、旧日本たばこ産業が1934年に販売を開始した、国産パイプタバコ第一号。
和ティストな甘い味わいにラム酒を添えたこのタバコ、南蛮文化と日本文化が混じり合ったにぎやかな時代、安土桃山に私をトリップさせてくれる。
デザインもそれに合わせたように、より時代掛かったものに進化している。
シンボルマークは製造当時と同じオランダ帆船リフーデ号、時代は慶長年間、九州に漂着したものである。
しかし改めて見てみると、デザインの背景がずいぶんと進化しているな。
ベースは、黒地に金の瑞雲模様をあしらったものであるが、それはまるで「洛中洛外図屏風」の様だ。
「洛中洛外図屏風」、作者は国宝や重文などの名作で知られる、狩野派・岩佐又兵衛、安土桃山時代から江戸初期に掛けて活躍した大和絵師である。
しかしこのタバコ、文化と歴史の臭いがこれでもかと押し寄せる。
まさに、大航海時代がもたらした南蛮の新しい文化に沸き立つ時代を彷彿とさせるタバコである。

(以下略 鋭意執筆中)


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