不定期発行
02月16日号

原作 ルイ・ロペス
作画&管理 店主


フルヴァージニア
製造国 イングランド
湖水地方
形状 角缶
内容量 50g
価格 1,650円
さて、ベストブラウンについで、フルヴァージニアのティスティングに入る訳だが、この2品をサミュエル・ガーウィズの冒頭に持って来たのには理由がある。
それは、まずサミュエル・ガーウィズのベースタバコを仮定したかったからである。
まあ、ミクスチャーやロープ系のタバコには、必ずしも当てはまるとは言えないが、ヴァージニアタバコの傾向を探るだけなら問題ない。
さらに、フレイク物の数は9種類、アイテムの約半分を占めている訳だから、そのベース部分を整理しておく事は、今回のティスティングでは重要な事である。

まずは基本どおり、タバコの概要から入るが、米国のテイスティングサイトには、ヴァージニアの産地が記載されていない。
初っ端から厄介な事だが、まあアフリカ系のタバコ、ジンバブエ、ないしはタンザニアあたりを想定しておけば良いだろう。
色は濃い茶色だが、ブラックシャグ(マクレーランド)までは行かない。
しかし、ケークの表面に当たる部分はかなり黒に近い、スライス前の塊は黒光りする感じだったのではと想像できる。

さらに特筆すべきところは、そのスライス幅の細さである。
通常のヴァージアフレイクの2〜3割減、バーレー混合のフレイフの半分と言ったところだろう。
しかし、その薄さの割りにはフレイクの強度(タバコ葉の粘り)はかなり強い。
おそらく、長時間の嫌気醗酵と、強圧なプレス処理に堪えられるよう、線維のしっかりしたタバコ葉が使用されているのではないだろうか。
この当たりは、ブラックシャグに近いと言える。
「原作に忠実なシャーロックホームズ」が吸っていた、黒タバコを彷彿とさせる。

話が脱線したので、元に戻そう。
まずはタバコの香だが、フルヴァージニア系、別の表現をするとピュア・ブラックキャベンディッシュ系。
その干しブドウを思わせる香、さらにそこに若干であるが干し草系の香が混じる。
サミュエル・ガーウィズのベースタバコが効いていると言ったところだ。
さて、肝心の味わいについては、一言で言ってアッシュトンのオールドロンドンに近い。
レーズン様の甘酸っぱさが良く確認できるが、そこはベストブラウンの完成度の高さが、そのままシリーズ物の味わいに生きている。
甘く分かり易い味わいながら、ピュア・ブラックキャベンディッシュ系の味わいに加え、落ち着いたヘイタイプのヴァージニアも充分に感じる。
ベストブラウンは、ややベテラン向けのタバコと言えるが、このフルヴァージニアは、誰にでも楽しめる仕上がりになっている。
カタログに「おそらくサミュエル・ガーウイツシュ社の銘柄の中で一番人気の銘柄」と紹介されているが、それも頷ける。
ちなみに、古いパイプ仲間の感想(どれが最も好みか)は、ベストブラウン派とフルヴァージニア派に二分されていた。
この一番人気のフル・ヴァージニア、分かり易く楽しみやすい反面、水分含有量と葉の線維の堅さから、火付き火持ちがやや悪い、まあその辺は英国のタバコと言う事で心構えは 必要である。
しかし、独特のキザミの細さであるので、よくほぐして詰めればそれなりに吸い易くはなる、ブラックシャグを試したい人にはお勧めだ。

テイスティングノートでは、皆様のテイティング感想も掲載させて頂く予定です。
一銘柄ごとUP後に、当方までMailにてお寄せ下さい。
なお、不適当と思われるものは掲載をお断りする場合も御座いますので、予めご了承下さい。
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