不定期発行
7月20日号

原作 ルイ・ロペス
作画&管理 店主


トップ・ブラック・チェリー
製造国 イングランド
湖水地方
形状 角缶
内容量 50g
価格 1,650円
トップ・ブラック・チェリー、およそイギリスタバコにそぐわない名称である。
しかもこのタバコ、ブレンド内容がカタログにもインターネットのレビューサイトにも記載されていない、前途多難である。
こう言う時は「基本に忠実」に限る。
まずは定石通り、香と見た目の確認。
しかし随分と黒いタバコである。
ビニール袋に入っているところと言い、水分含有量が多いところと言い、ペリックと間違えそうな雰囲気がある。
香はブラックチェリーの甘い香に、フルヴァージニア系の干しぶどう系の甘酸っぱい香が混じる。
しかしこの第一印象、もしかするとブラックキャベンディッシュなのかもしれない。
念の為タバコの形状を確認した結果、結構な割合でブロークンフレークが見つかった。
カタログの解説にも「2度にわたる熟成工程を経て作られたキャヴェンディッシュ」と記載されているので、ブラックキャベンディッシュと見て良いだろう。
しかし何か違和感がある。
その原因はタバコの質感。
ブラックキャベンディッシュに良く見られる粉っぽさが弱く、タバコがかなりしっかりしている。
この違和感に対する言及は後回しにするとして、香・タバコの外見と多角的に検証してきたトップ・ブラック・チェリー、ここまでシッカリ加工してあると、原料タバコの見当が付かない。
バーレーが入っているのか、いないのかさえ判別出来ない。
仕方が無い、最後の手段ティスティングに入ろう。

そんな訳で早速火を入れてみたのだが、火付き火もちがあまり良く無い。
刻みの太さはガウィス・ホガースに似合わない通常サイズ、タバコの葉がシッカリしている上に水分含有量が高い、この火付きの悪さは、ビュッテラのスウィートキャベンディイシュクラスか。
肝心の味わいであるが、しっかりしたチェリー香が出てくるが、ティンノートから想像したものよりやや弱い印象である。
そこに、チェリーの香以外の要素も出て来る。
それはチェリー系のタバコでよくお目に掛かるガムっぽい香。

さてこの香りであるが、どの様な具合で生じているのだろうか。
これについては2種類ほど考えられる。
一つ目が、メープルシロップのケーシングが、チェリー香と合わさった事により生じている。
二つ目が、「ヘイタイプのヴァージニアを原料にしたブラックキャベンディッシュ」により、ヘイタイプの草っぽい味わいとチェリーとが合わさってこの香りになった。
ん〜どちらもどちら、中々判別の付く問題ではない。

ともあれ、使用のベースタバコがシッカリしているので味わいは充分である。
その上ブラジリアンリーフ使用のせいだろうか、ヴァージニアの味わいがやや濃厚に感じる。
チェリー香の持続性も良い。
「タバコ感のある、チェリータバコ」が好きなスモーカーには持ってこいだ。
酒と合わせて、マッタリとチェリータバコを楽しみたい方は、是非とも試してみてほしい。
最後に、前述で説明が途中になった違和感であるが、ヴァージニア中心としたキャベンディッシュが原因と考えられる。
さらにバーレーに関しては、タバコにわずかではあるが粉っぽいところが見受けられる事と、肺喫煙の刺激から考えて、そんなに多くは無いがブレンドされていると予測する。

テイスティングノートでは、皆様のテイティング感想も掲載させて頂く予定です。
一銘柄ごとUP後に、当方までMailにてお寄せ下さい。
なお、不適当と思われるものは掲載をお断りする場合も御座いますので、予めご了承下さい。
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