
| 22-1 パイプ喫煙と不確定性原理 |
2003年1月18日号 |
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パイプのこだわりを書くにあたり、満を持して、パイプ喫煙の難しさについて触れて行こうと思うのであるが、今までになく、高度で難解にする所存なので、覚悟して読まれん事を望むのである。 などと、くだらない前振りはこの程度にして、さて本題に入ろう。 今回取り上げたのが、理論物理学である所の量子力学で、いささかアカデミックに展開しようと思う。 ただし、雑学程度の知識しかないので、いいかげんな事も書く恐れがあるが、そこはご愛嬌と言う所で、話を先に進めよう。 |
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これは、アインシュタインがノーベル賞を受賞した「光量子論」によって大きな発展を遂げる、「ミクロの世界の物質は、波と粒子の性質をあわせ持つ」と言う概念からくるものらしい。確かに、理論物理学とは難しいものである。 しかし、「不確定性原理」も難解な話には違いないが、「光量子論」と同時に発表された(1905年 アインシュタイン 26歳)「運動物体の電気力学」は、さらに難解不落な内容になっている。 これだけだと、何の事かわからない人もいると思うので、わかり易く書くと、彼の超有名な 「E=mc2(エネルギーは、質量×光速の二乗に均しい)」 の公式が登場する「特殊相対性理論」の世界が、この「運動物体の電気力学」の中に記されているのだ。 この理論は、アインシュタインが少年時代に考えていたパラドックス、「光速で移動する飛行船の中で、はたして鏡に自分の姿は映るのであろうか」から端を発していると言う事であるが………………… 書いている本人が、トンチンカンになり始めたので、理論物理学の話はこの位で止めておこう。 |
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ここで、何故、本人さえも良く分かっていない「不確定性原理」を取り上げたのであろうか。 それは、パイプ喫煙がこの「不確定性原理」に非常に似ていると考えたからである。 ここで私のパイプ喫煙について触れるが、そこそこの年月パイプを嗜んできた私であるが、それこそ楽しく吸えれば良い程度の、喫煙しかして来なかったと言うのが正直な所である。 しかし、いざ「パイプ物語」を書き始め、「タバコのティスティング」までし始めたので、そうも行かなくなった。 まず、読み物としてネットに晒す訳であるから、いいかげんな事も書けないので、それなりに勉強する。 また、様々なタバコのテイスティングを紹介しているのだが、これが又難しい。 ネットやパッケージを調べ、基本的なブレンドを確認し、悶々とした気持ちで、煙を吐きながら、テイスティングタバコの、特徴、着香、葉組み、ベースなどに思いをはせなければならない。 その結果、そうやって勉強して行く内に、ハタと考え直した事が有った。 それは、パイプによってタバコの味わいが変わると言う事象だ。 以前であれば、このパイプは使い辛いとか、好みでない、吸い辛い等と、自分の気分で吸っていれば良かったのであるが、様々なタバコをテイスティングし、それぞれの特徴を整理する為には、そんな吸い方ではダメなのではないかと、思うに至ったのである。 事実、何本か持っているパイプの中で、妙に美味しくないパイプ、タバコが吸い辛いパイプがあった事は漠然とであるが感じていた。 又、葉巻の勉強をして行く中で、同じブレンドの葉巻でも、シェイプ(葉巻の長さ・太さ・形状)で、味わいが変る事も学んだ。 そしてさらに、パイプタバコの勉強も始めてみると、トップフレーバーの強いタバコ、バーレー主体の煙量感の強いタバコ、ラタキアタバコ、それにタバコの旨味で勝負してくるヴァージニアブレンド等があり、各々のタバコが様々な性格を有していて、喫煙する時の特性も違うのではないかと言う事に、考えが及ぶ様になった。 |
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ここで、再び理論物理学に話をもどそう。 前述の不確定性原理の概要、「電子の位置を確定しようとすると運動量(速度)が決まらなくなり、運動量を確定しようとすると位置が決まらなくなる」を、もう少し噛み砕いて書いてみる。 噛み砕いて書くと言っても、単なる受け売りしか出来ないのであるが、なんでも電子と言う物は、「電子の速度を一つに確定すると、電子はほとんど無限の場所にいる事になり、何処に電子があるのか分からなくなる、又、電子の位置を一つに確定すると、今度は速度に無限の可能性が出てきてしまい、速度を特定できなくなってしまう」 …………・ だと言う事である?? ぶっちゃけた話、電子の速度と位置は、「あちらを立てれば、こちらが立たず」と言うものだ、と言う原理に違いない。(かなりひどい説明ではあるが) ここで、再びパイプ喫煙に戻ってみて、なるほどと思った人は非常に鋭い方である。 では、タネ明かしをしてみよう。 パイプ喫煙とは、様々な形状・特性を持った喫煙具、すなわちパイプを使い、これまた様々な原料葉・着香・加工法・ブレンドを施しているタバコを吸うわけである。 |
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パイプとタバコ、どちらか一方を極めるのさえ、チョットやソットで出来る代物ではないのに、困った事にも、パイプ喫煙は、パイプとタバコを使わないと、出来得ない喫煙なのである。少々言い回しが分かり辛いと思うので、表現を変えてみるが、「パイプタバコを正確に把握する為には、同じ喫味を持った、全く同じ形状・チャンバー・仕様のパイプで、全てのタバコをテイスティングしなければならない、又、パイプの特性を正確に検証する為には、最もパイプの特性を良く反映するタバコを選択し、その単一のタバコで、全てのパイプを吸わなければならない」と言う事である。 このあたりで、何故私が、パイプ喫煙のこだわりを書くにあたり、難解な理論物理学何ぞを引っ張り出してきたかが、御わかり戴けた事と思うが、実はこれだけでは問題は解決しない。 さらに、パイプ喫煙には、考慮に入れなければならない深刻な問題がある。 それが、喫煙技術である。 私の場合、パイプを始めて数年は、訳もわからず闇雲に、様々なタバコを灰にしていたと言う記憶しかないのだが、この様に、タバコを兎にも角にも美味しく吸うと言った事だけでも、チャント教えてもらいながらではないと、結構な時間がかかるものだと、私見ながらに思う。 しかも、パイプがそれなりに扱える様になったとしても、詰め方、吸い方、タンピング、燃焼温度等、喫煙技術にゆだねられている部分の個人差は、生じてくるだろう。 まったく、パイプだけを取ってみても、タバコだけを取ってみても、いずれも一筋縄では行かない課題であるのに、そこに喫煙技術までが参入してくる訳である。 |
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こう考えてみると、仮にAとBのパイプ喫煙者が、Cと言うまったく同じタバコを味わった所で、パイプも違えば喫煙技術も異なる訳であるから、全く違った世界を感じる事も、あり得る事になる。 書きながらも、暗澹(アンタン)とした気分になって来た。 どうやら、パイプ喫煙の難しさ、わかり難さ、そして、何といってもパイプ喫煙の教え難さ、と言った理由が、このあたりにあるのだろう。 その結果、パイプスモーカーの唯我独尊的なイメージも、出来上がったのかもしれない。 と言った所で、難しい話はこの位にして、この「第四部 パイプのこだわりにについて」では、喫煙技術のこだわり、タバコのこだわり、パイプのこだわりについて順次触れていく予定である。 ただし、断っておくが、どれ一つとして極めている訳では、決して無いと言う事である。 まあ、現状報告と言ったあたりがセイゼイである。 しかし、パイプにこだわりを持っていない人にとっては、そんなに容易い内容にはならないであろう事をお断りして、筆を置きたいと思います。 |
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